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65歳定年延長義務化の問題点、定年退職年齢、再雇用に関する内容を初心者向きにわかりやすく解説。

◆再雇用と勤務延長の違い

 定年延長義務化に伴い、企業が今後導入すべき3つの方法については前項で解説してきた通りじゃ。

 この3つの方法の中でもAつめに当たる継続雇用制度の導入に際して、「再雇用」「勤務延長」の2つの方法があると述べた。

 ここでは、この2つの違いについてもう少し具体的に踏み込んで内容を確認しておくとしよう。

◆最も大きな違いは給与水準の違い

 企業が継続雇用制度の導入を検討する場合、大半の企業が選択するのは一端会社を退職した後に改めて従業員と雇用契約を締結する再雇用制度じゃ。

 定年延長義務化は企業にとっては熟練した技術者や経験豊富な人材を繋ぎ止める事が容易となる魅力的な制度とも見れる反面、希望する全従業員を雇わなければいけないという甚大なリスクがあるため、再雇用を選択する事は当然の流れという訳じゃな。

 尚、再雇用として改めて従業員と雇用契約を締結する際の給与水準は、退職時よりも圧倒的に低くなるケースが大半じゃ。

 各企業ごとの再雇用に関する給与の取決めが異なる為、一概に給与水準を述べる事は不可能じゃが、一般的な相場としては退職時の40%〜70%程度が相場ラインの目安と言えるじゃろう。

 尚、再雇用で給与の40%以下など大幅な減額が行われるケースとしては役員が退任し退職し、その後再雇用されるケースがあるのぉ。

 役員の場合は高額の報酬を得ているケースが多く退職時に退職金の支給を受け、その後も顧問などとして会社に残るケースがある。

 この退職金支給条件として、再雇用後の給与は50%以下でなければいけないという取り決めがある為、大幅な減額となる訳じゃ。

再雇用後の給与水準相場の目安【画像】

 尚、一般従業員の場合でも退職時給与の半額近くまで給与が低くなる事は珍しい事ではない。

 勤務延長契約の場合は、退職時の給与が据え置かれるケースが大半であるのに対し、再雇用の場合は給与が半額近くまで低下する可能性があることを事前に把握しておく事が大切であると言えるじゃろう。

◆再雇用後の収入を補填する部分年金

 60歳以降も再雇用を希望して企業に勤める場合に、給与が大きく減額する可能性があることはここまで解説してきた通りじゃ。

 尚、厚生年金制度では60歳から年金の支給を受ける事ができる「特別支給の老齢厚生年金(部分年金)」と呼ばれる年金支給の仕組みが構築されておる。

 特別支給の老齢厚生年金は、申請が必要となるものの厚生年金加入者であれば60歳以降誰でも支給を受けることが可能じゃ。

 その為、この特別支給の老齢厚生年金の支給を受けながら再雇用後の会社からの給与を受け取る事が可能となっておるのじゃな。

 再雇用後の実質的な家計の収支に関しては、会社からの給与に部分年金額を加算して計算する必要があるのじゃな。

◆高年齢雇用継続基本給付金の給付について

 雇用保険制度では雇用保険の被保険者として加入していた期間が5年以上ある場合、給付金を受け取る事ができる事をご存じじゃろうか?

 この給付金制度は高年齢雇用継続基本給付金と呼ばれる給付金で、再雇用後の給与が退職時の給与の75%未満に減額した場合、最高で退職時給与の15%相当額が支給される制度となっておる。

高年齢雇用継続基本給付金の概要(雇用保険)【画像】

 再雇用後の給与は大きく減額するケースが大半じゃ。

 しかし、生活に支障をきたすような不安がある場合は、会社からの給与と前述した厚生年金の部分年金、そして雇用保険の高年齢雇用継続基本給付金の計3つの収入を得られる可能性がある事も覚えておくべきじゃろう。

 但し、仕事を継続しながら部分年金を受け取る場合、また給付金を受けながら部分年金(特別支給の老齢厚生年金)を受け取る場合は部分年金支給総額の一定額がカットされる仕組みとなっておる。

 その為、再雇用前に60歳以降の自分の手取り金額を会社の総務などに相談し試算しておくと良いじゃろう。