公務員の定年年齢は国家公務員、地方公務員問わず今のところ現状は60歳と定められており変わりない。
その為、現状では「再任用制度」を利用し定年後も働くことができるようになっておる。
尚、定年後の再任用制度は、前項でも解説したように無年金期間が生じないように取られた措置であり再任用を希望する者のみが使用できる制度であり強制的に60歳以降も働かなければいけないという訳ではない。
しかし、「改正高年齢者雇用安定法」で民間企業に対しては既に原則65歳までの雇用を義務付ける事が決定した為、公務員に対しても今後は定年年齢を引き上げていく案が徐々に固まりつつあるのが現状じゃ。
今後は公務員に関しても、定年年齢の引き上げについては民間企業同様段階的に定年年齢を引き上げていく流れとなるじゃろう。
尚、現在検討されている草案としては2021年から2033年まで3年ごとに1歳ずつ公務員の定年年齢を引き上げるという案が掲げられておる。
但し公務員の定年年齢の引き上げに関しては解決しなければならない多くの課題が残っておる。
国家公務員、地方公務員の定年年齢の引き上げは民間企業の場合とは全く性質が大きく異なる多くの問題点がある。
その最たる問題点は総人件費の問題じゃ。
公務員の給与の原資は国民が納めている税金じゃ。
単純に今までの給与水準で定年年齢を延長したとすると人件費が莫大に増加する結果となることは明らかじゃ。
その為、定年年齢を引き上げる際は従来の給与水準での支給を改め総合的な人件費の調整を行う必要が出てくるじゃろう。
総合的な人件費の調整の具体的な案としては、中高年層の給与水準の見直しや役職定年制度の導入などが上げられておる。
また60歳以降は給与水準を大きく下げ、大幅な人件費の膨張を抑制する事も検討されておるのが現状じゃ。
公務員の場合は国家破綻でもしない限り、民間企業が常に抱える最大の不安点とも言える倒産というリスクが実質皆無であることから、一度採用を行った後での調整が難しい。
その為、公務員の定年年齢引き上げに関しては慎重にならざる負えないという訳じゃ。